【要約】内向型人間だからうまくいく

BOOKs

こんにちは。現役体育教師のAPETです。
突然ですが、こんな人に憧れた経験はありませんか?

◆ 友達が多く、周りにいつも人が溢れている人
◆ 喋り上手で、コミュ力が高い人
◆ 週末に仲間同士でBBQをしている人
◆ 複数の仕事を同時進行でバリバリ進める人

何を隠そう、この人物像は私自身が憧れを抱いていた人物像でした。
そしてこんな風になりたいと思い、できる限りの努力をしました。
けれどなれもしないし、頑張れば頑張るほど自分を取り繕うことになり疲れてしまうのです。

そんな折、NewsPicksというニュースアプリで紹介されていた一冊の本が目に止まりました。
それは「内向型人間だからうまくいく」という本でした。
この記事を読んだとき、俗に言う「あるある」ばかりでニヤけてしまいました。
例えば、「挨拶的な”最近どう?”にうまく返事ができない」という項目です。
この理由は、相手の質問の意図や背景にまで思いを巡らせてしまい、考える時間がかかってしまうからというものでした。
これだ!と思った私は、すぐにリンクからAmazonへ飛び、ポチりました。
読んでみた感想は、率直に「救われた」という気持ちと、実生活に取り入れたらパフォーマンスが上がるんじゃないか?という希望でした。

そして、実際に内向型の特徴を活かす、考え方や行動を職場に取り入れたところ、ストレスの減少生産性の向上という効果が表れました。が、これらは副産物に過ぎませんでした。

本当の価値は「変えようとしていた自分を受け容れ、自分の性格を肯定できた」ことです。

今回はそんな筆者が本書で重要と感じた部分をピックアップし、日常や職場(主に学校現場)で実践しているアクションを書きたいと思います。

内向型人間とは

一言で説明すると『思考などの「自己の内面」に興味関心がある人』です。

反対に外向型の人は自己の外側、つまり他人やモノに興味関心があると言われます。
簡単に触れておくと、心理学の有力な理論に「ビッグ・ファイブ」というものがあります。
これは性格を5要素に分割し、各要素の強弱をトータルで判断し、性格の傾向を把握するという理論です。
この5つの要素のうちの1つが内向性です。
性格に影響を及ぼす割合は単純に考えれば5分の1ですし、性格傾向の1要素に過ぎません。
ですので、「内向的だから〇〇である」みたいな決めつけには意味がありません。

重要なことは、この特性の自己理解と活用です。
つまり、内向型人間の性格傾向を知り、感情や思考と上手に付き合い、行動に落としこむことに意味があると考えます。
そのような観点から、今回は内向性の高さを「強みと捉え直し、仕事に活かすアクションに変える」ための内容になっています。

この記事の流れを下に示します。

 結論 ⇒ 解説 ⇔ 具体的なアクション ⇒ まとめ 

解説に加え、筆者が実際に行い効果があったアクションを織り交ぜてありますので、ぜひ参考にしてみてください。

結論

本書の核を一言で表すと、

『刺激』と『時間』をコントロールすれば、パフォーマンスは最大化される です。

内向型人間のパフォーマンスを高める武器は「深い思考力」「内的動機の強さ」の2つです。

この武器を自由に出し入れできたら仕事は捗るし、効率も上がり、成果も出るはずです。
では早速、この状態をつくりだすための方法を解説していきます。

解説

本書では、脳科学から内向型人間の特性を3つあげています。

1 神経回路が長く、思考に時間がかかる
2 ドーパミン感受性が高く、刺激に敏感
3 副交感神経優位で、リラックス傾向

このうち1と2を深堀り、刺激と時間のコントロール方法をそれぞれ整理しました。

刺激のコントロール

刺激センサーが敏感であることが内向型の特徴ですので、小さな刺激でも思考の妨げや集中力の阻害につながります。
逆を言えば、刺激のコントロールさえできれば、思考も集中も深めることができるのです。
さらに、小さな刺激から多くの情報を受け取ることも、内向型人間の得意分野です。
したがって重要なことは「受ける刺激を選べる環境」をつくることです。

刺激に対して、3方向からのアプローチで精選していきます。
その3つとは【入力の制限】【出力の増加】【一人で回復】
これらを使い分けることで、深い思考と内的動機を増進していきます。

入力の制限

ここは単純に、刺激となるモノを減らす、ということです。
具体的には、視覚、聴覚、情報の3つです。

視覚刺激に関しては、目に見えるものを無機質なものにして対応します。
机上から文字や原色の物を極力なくし、作業に必要な資料のみを置きました。
また、コード類もまとめて束ねるようにしています。

聴覚刺激に関しては、55デシベル程度が心地よく、図書館の音が過度な刺激にならない音量です。
とはいえ、実際の職場ではありえないので、私はAirPodsProのノイズキャンセリングで雑音を消し、自然音を聞きながら作業をします。別室へ行き、一人になることも効果があります。

情報に関しては、TVやYOUTUBE、ニュースアプリ、SNS通知などの情報シャットアウトです。
普段私は、YOUTUBEやNewsPicksから情報を得ています。
情報が洪水のようにありふれた現代では、積極的な収集に限らず至るところから情報が入ってきます。
本書を読んでふと思ったのが、刺激(インプット)過剰ではないか?という疑問でした。
考えるとその通りで、情報を仕入れすぎていたため、脳が処理しきれず定着していないことも多かったのです。
ですので今は、情報をふるいにかけてから取り入れています。
現在の基準は、「なぜ必要なのか、取り入れてどう使うのか」という目的がはっきりしている情報源はOKという感じです。

出力の増加

内向型人間は情報や考え込みで脳の短期記録装置がパンクすると、フリーズしてしまいます。
ですのでパンクしないよう、軽くしてあげる必要があります。
そこで必要なことは、パンク状態の脳に巣食っている刺激物を排出することです。
もともと短期記憶より長期記憶が強い傾向にあるため、短期記憶を補う意味合いもあります。

ここでは、特に文字で「書き出す」ことが有効な手段となります。
私は、取り込んでしまった刺激や情報は頭に保存するのではなく、手帳に書き出したり、iPhoneのメモに入力しています。
ツール自体は何でもよく、アナログでもデジタルでも構いません。
とにかく、脳のメモリを空っぽにすることで、思考の隙間をつくることが大切です。

一人で回復

これまでのどれをやっても、疲れがとれない、思考停止状態に陥ったときは、その場を離脱しましょう。
刺激のキャパシティは、HP(ヒットポイント)のようなものです。
減らさない工夫をしながら、なくなりそうなときには回復させる技を身に着けましょう。
私の場合は、別室に行く、職場を歩く、ジムで軽いトレーニングをする、アイマスクをして目を閉じるなどを行っています。

時間のコントロール

神経回路が長く、思考に時間を要する内向型は、そのための「時間」をどう確保するかが重要になります。
ここでも刺激コントロールと同じく、3方向からのアプローチを取り入れてみましょう。

3つのアプローチは【まとめる】【かける】【選ぶ】です。

まとめる

結論から言うと、「時間はまとめ、作業は分割」がベストです。

思考集中ゾーンに入れば強いのですが、入るまでにそれなりの時間と外敵(他の刺激)への対処が必要です。
ありがちなのは、作業を始めた途端に他の作業の穴を発見してしまい、そちらへ心変わりすることです。
それを避けるためには、考える対象を絞り、まとまった時間を確保することです。
おすすめは、作業25分⇔休憩5分の1セットで回す「ポモドーロテクニック」というものです。
しかし集中の持続時間には個人差があるので、作業は25〜50分の間で設定をすると良いと思います。

時間確保に合わせて、タスクを小分けにすることも重要です。
例えば、報告書作成というタスクの場合。どこから手を付けよう?などの判断も不要な刺激となります。
これも集中への障壁となる原因です。
私が報告書を作成する場合は、アウトラインを作成しゴールとしての結論を書き出し、段取りを組んでからスタートします。
どのような作業にせよ、階段の「段数は増やし、一段は低く」する下ごしらえをしてから始めます。
このように、作業時間自体はまとめて確保し、タスクは分割。そして、作業の計画をたてましょう。

かける

ここでは、準備に時間をかけるコントロール方法を示します。
仕事において、プレゼンや企画書提案などのアウトプットが必要な場面があると思います。
内向型人間は、アウトプット自体は得意なのですが、アドリブや即興対応は苦手としています。
理由は、思考を巡らせる範囲がひろく、瞬間的に筋道を立てることを苦にしているためです。
したがって、明確な筋道を描き、アウトプット練習の準備に時間をかければ成果が出るでしょう。

私が人前で講話をする際の準備は、通勤中の車で内容を喋り、iPhoneのボイスメモで録音します。
その後録音を聞き、自分で添削をします。
これを繰り返し、自分でツッコミを入れて内容を修正し、余計な箇所を削ぎ落とし完成度を高めます。
先日は1講話で6〜7回(時間的には3時間程度)練習し、仕上がりました。
やはり準備に時間をかけると、自信も付きますし、パフォーマンスも高まります。

えらぶ

時間を自分の興味をくすぐる対象に使うことも重要です。
内向型人間の興味対象は「モノよりオモイ」この一言で表されます。
どんなモノが手に入るか?より、どんなオモイになるか?が大切な評価基準です。

例えば、付き合いで上司との雑談が必要な場面があったとしましょう。
外向的な人は、評価や昇進、査定などへの影響を考え、上司を持ち上げたり、話を合わせたりするでしょう。
しかし内向的な人は、この上司や会話内容に興味があるか?という自分のオモイを重視する傾向にあります。
よって、話したくないときや、メリットがなさそうなときは、表情や仕草、声のトーンに表れます。
だから、私は興味が持てない人との会話で、「仏頂面」になってしまうのかと合点がいきました。

冗談はさておき。時間は有限です。
自分の心が踊るかどうか、という基準で使う時間を選ぶことも大切な時間コントロール法です。
まとめると、心からワクワクする人や仕事を選び、時間を投下することで、最大限の能力を発揮できるのです。

まとめ

◆内向型人間の強みは、「深い思考」と「内なる動機」である
◆「刺激」と「時間」をコントロールすることで、パフォーマンスが最大化できる
   刺激 ⇒ 入力制限・出力増加・一人で回復
   時間 ⇒ まとめる・かける・えらぶ
◆能力を発揮できることで、さらに内向型の特徴が好きになり、自己肯定感が増す

以上が「内向型人間だからうまくいく」の要約と、内向型人間の筆者が実際に行っている刺激と時間のコントロール術です。
本書には、実際の悩みに対するコンサル事例なども豊富に載っています。
今回はあまり取り上げなかった、人間関係を深めるための具体的な方法などもまとまっていました。
ぜひ、興味があれば手にとってみてください。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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